アクアエクササイズとスイミング 水泳用語辞典 スイミングテクニック スポーツクラブと室内プール

生活習慣と体調管理

■ 疲労(ひろう)
■ 肩こり(かたこり)
■ 腰痛(ようつう)
■ 蛋白尿(たんぱくにょう)
■ 飲酒(いんしゅ)
■ 喫煙(きつえん)
■ 肥満度(ひまんど)
■ 基礎代謝(きそたいしゃ)

疲労(ひろう)

普通の疲労では,薬物を利用したりせずに,生活の仕方をかえたり,食事に気をつけたりする程度でことがすんでしまいますが,気をつけなければならないのが,慢性疲労もしくは蓄積性疲労といわれる状態です。

これは一種の病的状態と考えられていて,速やかに充分な栄養と休息で回復させないと,とりかえしがつかなくなる危険さえあります。医療を併用する必要性もありますから,運動などはしないで,消極的な休養が必要です。

現代文明社会で疲労の大部分は,満員電車に乗りつづけたための疲労とかいう,いわゆるエネルギー代謝率でみれば,きわめて小さなものです。消耗されるエネルギーは微々たるものですから,飲んだり食べたりすることで回復させようとすれば,過栄養の危険さえでてきますから,スポーツなどでエネルギーを消耗してやる必要があります。

泳ぎはエネルギー消費が比較的大きいという点でも,他のスポーツに比較して,筋肉から脳や脊髄に送りとどけられてくる信号がバラエティーにとみ,かつ豊富だという点でも,現代生活に疲れた人々に対する,きわめて効果的な疲労回復手段だといえます。

とくに気分的にイライラして,何をするのもおっくうだというくらい疲れているのに,身体を横にしてもよく眠れず,一晩中うつらうつらして,睡眠不足状態がつづくというようなくというような人々の場合は,同じ疲労でも心地よい疲労とはまったく異質の気疲れとでもいうべき疲労です。この場合には,消極的休養法では到底その目的を達成することはできません。

疲労回復の具体的な生活処方が運動です。疲労回復のために運動を行ったりすることを積極的休養法と言ったりしますが,すべてを忘れて泳ざまくるというような積極性こそが,唯一の効果的な疲労回復手段なのです。

運動が不足したために,筋肉に異常な緊張状態が生じるために睡眠障害が生じる可能性が大です。充分に筋肉を動かしてやることによってその緊張がほぐされ,安らかな眠りを誘うことができるのです。

休息と疲労

疲労の原因物質は,筋肉中や脳に発生する活性酸素です。細胞を傷つけたり病気や老化の原因ともなります。

山登りで山頂に着いたときのように,実際には疲れていても達成感があると疲れをあまり感じないことがあります。日常生活でこのようなことが積み重なると,細胞が傷ついた状態を放置することになり,老化や病気のリスクを高めることになりかねません。

疲労回復の最良の方法は,なんといっても睡眠ですが,睡眠の仕方が悪いとかえって疲労を感じてしまったり,睡眠によって隠れていた疲労感が表面化することもあります。

その疲労をからだに蓄積させないためには,短い休息を多くとることで,長い時間同じ姿勢を継続しないなど,日常生活でのちょっとした工夫も必要になります。

また,疲労回復には食事も欠かせませんが,その食事のオススメ食材が「鶏の胸肉」です。抗疲労効果が実証されている「イミダペプチド」という成分が含まれています。

この「イミダペプチド」は,アミノ酸結合体で,長時間,翼を動かし続ける渡り鳥の筋肉中に高濃度に含まれています。鶏肉でも他の部位に比べて比較的安い胸肉を,1日100g程度で効果的に摂取することができます。

■ 疲労 このページの先頭へ

肩こり(かたこり)

肩こりの原因は,目がつかれたため,歯が悪いためということもありますが,決してそう単純なものではありません。

長時間机に向かって仕事をしたり,同じ姿勢をとり続けたような場合,肩の筋肉の血行不良が原因なら,体操をしたり,マッサージ治療で治るはずですが,呼吸器や内臓の疾病が原因の肩こりであれば,運動することによってますます悪化してしまう危険性があります。

これらの場合「たかが肩こり」などという素人判断は危ないことになります。必要な医学的検査を受け,運動ができないほどの疾病がないことを確認から,運動するようにしましょう。

■ 肩こり このページの先頭へ

腰痛(ようつう)

運動が不足した結果,筋肉がおとろえ,腰椎を生理的な位置関係に保つことができなくなったことが原因だとか,悪い姿勢を持続したために一部の筋肉が短縮し,他の筋肉が過伸展されつづけたのが原因だというような時なら,水泳をやって充分に腰の筋肉を鍛えることにより治すことができるはずです。

たしかに最近の若年層に多発している腰痛の原因の最たるものがこれだと考えられている以上,相当数の腰痛患者は,運動によってその苦痛から解放されることが予測できます。

しかし老人性の変形性の関節疾患などを除外したとしても,それ以外の腰痛患者がそうだということはできません。たとえば,発育期の初期から激しいスポーツをしたことが原因でなる脊椎分離症にともなう腰痛などについては,充分なチェックをおこなう必要があります。

筋肉が疲労して,疲労物質の乳酸が筋肉内に溜まると,腰痛の原因にもなります。乳酸を分解するビタミンB1,血行を良くするビタミンEやイチョウ葉エキス,末梢神経の傷を癒すビタミンB12,弛緩作用のあるマグネシウムなどが腰痛には効果的です。

■ 腰痛 このページの先頭へ

蛋白尿(たんぱくにょう)

腎疾患にともなう蛋白尿の場合は,原則として運動は禁止ですが,その蛋白尿の原因が腎臓ではない時のことです。激しい運動の後の蛋白尿は,相当な運動経験のある健康な人でも決っしてないことではありません。

しかし,少くとも蛋白尿の程度がひどいということは,それだけ腎臓機能の負担が増えているということで,強度の蛋白尿は運動が激しすぎることを示すものです。トレーニングとして水泳をして選手などは,運動時間を短かくしたりして,様子を見ることが大切です。

これに対し,早朝の尿にはまったく異常がないのに,長時間立っていると起こる,起立性蛋白尿の場合はまったく別です。脊柱を正しく保つための靭帯や筋肉が弱っていることに起因する症状でしたら,運動によってそれを強化することが考えられます。

いうまでもなく,程度のひどい場合は少しずつ鍛えて行き,絶対にあせってはいけません。はじめから効果をあげようと急ぎ過ぎると,かえって有害な場合もあります。

■ 蛋白尿 このページの先頭へ

飲酒(いんしゅ)

現代人の生活の中での飲酒は適量であるかぎり,ストレス解消の一手段と考えられますが,動きながらの飲酒は危険を増大させます。アルコールの中枢作用は抑制中枢の麻痺だといわれるように,明らかに大脳の働きを変調させます。反射中枢としての中枢が変調しているのですから,当然といわなければなりません。

また皮膚末梢血管が麻痺性に拡張していると,水泳ではとくに体温下降が著しくなる危険があり,時には同時に血圧が急激に下がって,ショック死となることもありますがら,酒を飲んで泳ぐのは厳禁です。

二日酔いでの泳ぐのもよくありません。そもそも肝臓は安静状態において,もっとも効率よく機能する臓器です。少くとも二日酔いの状態にあるということは,肝臓がアルコールを完全に解毒できないほどにいためつけられていると考えるべきです。強過ぎる運動は肝機能によけいな負担をかけることですから,機能が低下するような運動は好ましくないのは当然です。

■ 飲酒 このページの先頭へ

喫煙(きつえん)

喫煙時は一酸化炭素の産成と吸入が同時におこなわれていて,気道の抵抗を増大させるといわれています。 一酸化炭素はヘモグロビンと結びつく力が酸素の300倍も強いので,ほんの少しでも一酸化炭素を吸入するということは,それだけヘモグロビンの酸素運搬能力を減退させますから,それだけでも有害です。

プールの水は塩素によって消毒されていますから,室内プールに限らず,周囲では多少なりとも塩素ガスが発生していることになります。この塩素ガスが一酸化炭素と結び付くと,ホスゲンという毒ガスが発生します。これは喫煙者だけの問題ではでなく,他の人にも危険がおよぶことになりますから,室内プールの観覧席などにおける喫煙は厳禁する必要があります。

第二の問題はニコチンです。ニコチンは神経と神経のつなぎ目であるシナプスに侵入して,そこでの刺激伝達作用を阻害する働きを持っています。このような遅滞が随意運動を支配する神経系だけにおこるのであれば,スポーツ能力の低下ということに限定されますが,きわめて危険な状態が心臓の刺激伝導系で発生する可能性があるのです。

もしニコチンで刺激伝達が阻止されると,心臓が停止してしまうことになりかねません。ニコチンとの因果関係が明確ではないので,激しい運動を行っている最中にそうなった場合は,結果的に心臓麻痺として処理されたりしますが,危険を回避する意味からも,せめて運動の1時間前後は禁煙にすべきです。喫煙(きつえん)

■ 喫煙 このページの先頭へ

肥満度とBMI指数

肥満とは体重あたりの脂肪量が多すぎることを言い,同時に筋肉量は相対的に少ないことを意味しています。筋力が少ないと運動をした時の関節にかかる衝撃を和らげることができず,関節症への不安も増すことになります。

肥満度の判定基準としてBMI(Body Mass Index=ボディマス指数)が用いられます。
(体重kg割る(身長m)の2乗により算出し,18.5≦ BMI<25 が普通体重)

BMI=体重(kg)÷身長(m)2

体重70kgで身長が170cmなら,身長をメートルに直して2乗し,体重を割ると約24になります。(70÷1.702=24.22)

BMIが高くなると,高脂血症や高血圧,糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなると言われ,BMIが「25」を越えると高血圧や高中性脂肪血症,「27」を超えたら糖尿病,「29」を超えると高コレステロール血症の発病率が2倍になるなど,危険度が加速することになりますが,一部のようにBMIが「22」以下を普通体重とするには厳しすぎるという声もあります。。

あなたの身長と体重を入力して,B M Iをチェックする。

● 体重 kg
● 身長 cm

あなたのBMIは・・・ 

成長期の痩せすぎは危険
健康な骨を作るためには,成長期に運動などを伴ったバランスの良い食事を摂取してたかにかかっています。成長期に無理な食事制限や偏った食事を続けていると,骨量や骨質を低下させてしまい一生取り返しのつかないことになってしまいます。大人になってからでも多少の改善は望めますが,まずは成長期に高い刺激の運動とカルシウム,蛋白質,ビタミンなどを中心としたバランス良い食事を取ることが大切です。

■ 肥満度 このページの先頭へ

基礎代謝(きそたいしゃ)

基礎代謝(BM=basal metabolism)は,呼吸や心臓を動かすことや体温を保つことなど,さまざまな生命活動で常に使つているエネルギー。つまり,「生きていくために最低限必要なエネルギー」のことで,肉体的・精神的に安静である時に,呼吸器・循環器系や神経系,肝臓や腎臓などの臓器がわずかに活動している状態と考えられています。

1日の総消費エネルギー量は,この基礎代謝量と生活活動代謝量(日常の家事などを含む活動)とDIT(食事誘導性体熱産生=咀嚼や消化,吸収,代謝など食事にともなうエネルギー消費)を足したものになります。通常,1日の総消費エネルギーのうち,基礎代謝呈は約70パーセントを占め,運動(家事などを含む日常の活動)をした場合などは基礎代謝量に生活活動代謝量が加わります。

基礎代謝のエネルギー消費が最も多いのが,脂肪を除いた体組織中,約40%を占めている骨格筋です。基礎代謝はその人の筋肉の量によって大きく左右さされます。同じ体重でも脂肪が少なく,筋肉が多い人の方が基礎代謝が高くなり,消費するエネルギーも多くなります。筋肉を鍛えることが基礎代謝を上げることになりますので,筋肉量が多く基礎代謝が高い人ほど太りにくいといえます。

基礎代謝は成長するにつれて高くなり,17才前後をピークにその後は徐々に減っていき,一般に40才を過ぎると急激な下降線をたどります。これは加齢によって筋肉の質量が減少するからです。また,女性は男性より基礎代謝が低い傾向にあります。女性は妊娠~出産のために,普段から男性よりも多くの体脂肪を蓄えるために,筋肉の量が少ないことが原因とされています。

同じ量を食べても,基礎代謝が高い「筋肉量の多い人」に比べ,基礎代謝が低い「内臓脂肪型肥満」の人は,脂肪が蓄積しやすいということになります。内臓に脂肪がたまりやすい人は,高血圧や糖尿病など,生活習慣病を誘発する原因になりますから,普段からの注意が必要です。

■ 基礎代謝 このページの先頭へ
>
[更新日]2019/01/18