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水泳の基礎知識と泳ぎの理論

浮き身

海水の塩分は5パーセント前後ですから,誰でも比較的楽に浮くことができます。平均すると人間の比重は1前後ですから,淡水でも鼻と口を水面上に出して,仰向けに浮ないことはありません。淡水で楽に浮くためには,わずかの推力か浮き具があればいいのですが,何もなくても長時間浮く技術が浮き身です。

陸上でシーソーの上に仰向けになったとします。この時シーソーが水平に安定するのが,中心がおへその位置にあるときです。空気をいっぱいに吸い込んで,おなかの方に空気を送るようにする腹式呼吸にして,両腕を前に伸ばせば,うつ伏せでも水平に浮くことができます。

浮き身を練習するには,息をいっぱい吸って,お腹をふくらませるようにします。両腕を頭上に伸ばし肩まで水に入り,仰向けで両腕を水の中に入れていきます。視線は頭越しに少し前を見て,顎も出し気味にします。両脚は膝を曲げて股を開き,脚をなるべく体のほうに引きつけます。余裕が出たら,少しずつ両脚を揃えて伸ばしていきます。難しいのは呼吸です。最初の吸気はお腹に留めておくようにしますが,胸の空気だけはすばやく入れ替えます。

両脚を開けば誰でも浮くことができますが,上手く浮けずに脚から沈みかけるようなら,両手の指先を少し水面に出すようにします。水面上に出た指先は,重力がかかり沈もうとします。比重が一定なのですから,体の一部が沈もうとすれば,反対側の脚は浮いてくるはずです。

[更新日]2017/05/05