水の物理的特性を利用した水中運動は,からだにさまざまな効果を得ることができることは,「水の特性とパワー」ですでに書いているとおりです。浮力,水温,抵抗,水圧,この物理的特性を居ながらにして利用できる水中運動は,体力のない者や障害のある者にとってこの上のない健康増進の手段となるに違いありません。
温泉などでも十分その効果が実証済みだとは思いますが,水が体表面に接することによって脳の活性化を促進し,からだのバランスを整え,精神的なリラックス効果をもたらしてくれます。
さらには,水中でからだを動かし,水がからだの表面にまつわりつくことによって,血行促進,疲労回復,肩こり腰痛の改善,関節や皮膚感覚などの向上に役立ちます。
流水プールなどで流水をからだに当てることによって,皮膚感覚を刺激することもできます。しかし,盛りだくさんの水の効果であっても,水に入るだけでエネルギー代謝が著しく促進されるわけではありません。水のパワーはあくまでも補助的な効果であると認識すべきです。