Answers:クロールの呼吸が他の泳ぎより難しく思えるのは,たぶん顔を横に回して呼吸をするからだろうと思われます。その点で背泳ぎはすでに顔が水上に出ていますから,もっとも容易に呼吸できます。いろんな見方もありますが,おそらく難しいのは平泳ぎとバタフライです。
さて,その難しいクロールですが,水と空気を分けて空気だけ吸い込むコツさえ覚えれば,体が横に傾いたとき口を開ければいいわけで,動作そのものはほとんど難しくない上に,楽にできます。
ドーバー海峡の横断などで,潮に流されないために「スピードが出るクロールで泳ぐ」というのも理屈ではあります。しかし,長時間続けなければいけないのですから,運動効率が良くて理論的にも楽なクロールで泳ぐのが理想的なわけです。
水泳はプールという箱の中を行ったり来たりする単純な運動ですが,結構あきずに続けられます。これはジョギングなどと同じで,人間が持って生まれた動作の繰り返しだからだと考えます。ところがアクアビクスなどの趣味を交えた運動では,音楽や動作を変えるなどして,気分を変えないと楽しく継続することができないわけです。
わたし達は気づいたときには歩いたり走ったりしていたので,大人になってから走る技術の向上はほとんど望めません。ところが水泳は,年齢にかかわらず,泳げるようになった時が「ヨチヨチ歩き」ですから,上手に泳げるまでにはかなり時間がかかります。水泳は大人になってからでも「ヨチヨチ歩き」から「走る」までを体験できるのです。
水泳は泳げるようになるまでの間に,「楽に=楽しく」なることを実感しできるスポーツです。