皮膚は量的には少なくても,酸素を取り入れ二酸化炭素を排出して呼吸しています。肺呼吸よりいちじるしく少いからと言って,決して無視できないことは事実です。皮膚呼吸を止めると,30分も行動できないのに対して,何時間水の中にいても障害を受けることはないのですから,皮膚は水中でも呼吸しているということがわかります。
水中でも運動をすれば発汗をしますが,筋肉活動による温熱性発汗と,迫された反対側が発汗する皮膚圧迫によるものとがあります。他の陸上スポーツと運動強度がまったく同じ場合,水泳のほうが発汗量が大きいと考えられ,体重減量法としても効果的であり,心身爽快感も倍加するものといえます。
もうひとつ効果的な減量法として考えられるのは,皮脂分泌を活発にすることです。皮脂腺分泌は運動や精神的緊張によって活発になり,皮膚表面から皮脂が除去されることによって,分泌が盛んになるという性質を持っています。仮に50グラム前後の脂肪(カロリーに換算すると450カロリー)とういうかなり大きな熱量を皮脂表面から簡単に取ることができれば,減量効果は抜群ということになります。
水泳をすると風邪を引きにくいというのは,経験的に解かったことですが,なぜなのかも以下のことを推測してみる必要があるかも知れません。
•水の刺激によって皮膚が緊張することにより,体熱放散面積が減少する。
•皮下の血流が減少し,皮下脂肪層の発達をうながすことにより体温の保有がしやすくなる。
•皮膚への乾布摩擦や冷水摩擦も,水の刺激と同様に皮膚刺激に有効である。