水中運動も運動のひとつの形態ですから,運動がもっている健康に対する役割の基本的な問題について考えておく必要があります。
運動不足による疾病が怖れられ,運動することが健康であり,長生きできるようにいわれています。たしかに運動不足が有害だというのは事実ですが,それを逆にして「運動すれば健康になる」というのは誤りです。
そもそも運動というのは,骨格筋を収縮することによっておこる物理化学的な変化が,からだを構成する各種の臓器組織に対して相応のストレスとなることをいいます。
したがってその時のからだの状況や環境条件の違いによってはかえって健康を阻害したりする可能性もあるのです。
このことを前提に,水中運動の効果を充分に発揮するための生理学的な事実をしっかり認識しておきましょう。