日本で海水浴が始まったのは、明治18年(1885年)元軍医の松本良順氏が神奈川県大磯町照ヶ先海岸に海水浴場を開設したのが始まりです。
日本は周りが海なので、海水浴は古くからおこなわれていたように思われがちですが、松本氏が脚気の治療や健康に良いことなどを奨励して明治時代に大磯で始まりました。
それまでの大磯町は寂れた東海道の宿場町でしたが、松本氏が海水浴場を開いたことによって、明治の元勲がこぞって別荘などを立てたことから、旅館や駅もできることになります。
夏目漱石の「こころ」は明治時代後半の海水浴シーンから始まります。当時は外人が猿股(ふんどし)であったのに対して、男は腕、胴、腿は出しておらず、女性はほとんど肌を出していなかったようです。女性が水着を着るようになるのは、大正時代になって「しまうま」と呼ばれる白黒のストライプの水着が出てからになります。(佐藤民男 産経新聞社 教科書が教えない歴史より抜粋)