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水泳の基礎知識と泳ぎの理論

皮下脂肪

運動は筋肉によって骨格を動かします。その筋肉にエネルギーを与えるのが栄養です。摂取したエネルギーが消費されずに余ってしまうと,皮下脂肪という形で体内に蓄積されます。一般に皮下脂肪は,運動そのものには関与しないで,筋の収縮を阻害し,エネルギーの効率を低下させ,体重を増加させて運動効率を下げたりします。それで皮下脂肪は運動の敵のようにいわれますが,一般の水泳については,必ずしも悪いとばかりは言えない面があります。

最も大きな違いは,浮力の問題です。皮下脂肪は比重が水より軽いわけですが,それが増えると比重が増します。浮力が増すと体が浮いて,水上の体積が増え水中の体積が減ります。水上の体積には重さがありますから,それを運ぶには増加した分だけ余分なエネルギーが必要です。しかし水中の体積には抵抗がかかります。抵抗は速度の2乗に比例しますから,水中の体積が減ればその2乗分だけエネルギーは少なくて済むのです。

そんなわけで,一般の水泳にとっては皮下脂肪はそんなに障害になりません。保温の問題や皮膚抵抗のことなどを併せ考えると,むしろ適度な皮下脂肪があったほうが良いといえます。

[更新日]2017/05/03