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プール施設の用品用具と安全

水質・水深・水温

水質は,雑菌の有無・透明度・過マンガン酸カリウム消費量などの方法で測定しますが,数値だけでは良し悪しがなかなかわかりません。滅菌の状況を示す数値としては,遊離塩素0.6~1.0ppmを基準にしているところが多いようですが,わが国では都道府県条例をもとに,保健所の指導が行われます。水に入って動いたあとに,身体の周りに泡がまとわりついたり,泡切れが悪い場合には,水質が悪いことを疑って見る必要があります。

汎用性の高いプールの深さは,1.1~1.2mくらいが適当です。子供用として1.0m以下の浅いプールをつくってしまうと,子供の水遊び以外の用途に使えないことになります。

リハビリテーション [rehabilitation](社会復帰するための訓練)の治療を行う場合にはプログラムによってそれぞれ水深が違うために,可動式のプールを利用したりプールフロアなどで推進を調整して行います。

水球競技用には1.8m,シンクロ競技用には3m,飛び込み競技用はそれ以上,一般用には1.2m,あれば十分です。ウォーキングでは水面が胸まであると歩きにくくなります。適度な水深は身長の差によりますが,日本人では1.1~1.2mが適当ではないでしょうか。

競泳の適温は26℃といわれていますが,3歳以下のベビースイミングなどでは32~33℃くらいは必要です。一般の練習では28℃がいいのですが,まったく始めての人は30℃前後,中高年の初心者やリハビリなどの,ゆったりした運動をするなら30℃以上必要です。

また,リハビリ用のプールとなると,33度以上は必要となるために,同じプールで同じ時間帯に目的が異なるプログラムを行うことは困難です。水温を上げて別の時間帯に分けて行われます。

レジオネラ菌が繁殖するのは,24時間風呂などの循環式浴槽など,菌の繁殖に適した環境条件で発生しやすいと考えられます。暖かい水温と餌となる有機物があるとレジオネラの繁殖を助けることになりますので,なるべく短期間での換水や浴槽などの清掃をして,レジオネラが繁殖できない60℃以上の温度を貯湯槽内で維持したり,塩素系薬剤で消毒処理することによって,レジオネラの繁殖を防ぐことができます。塩素系の諸毒薬剤は,大腸菌ほどの速効性はないものの,遊離残留塩素0.2~0.4mg/lを保つことでレジオネラ菌に対しても有効です。
[更新日]2017/03/30