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クロールのストロークテクニック [Crawl stroke technique]

ストロークメカニックスこのサイトでは、泳ぎの絶対的なストローク・メカニックスの表現を避けて、個人の解剖学的、肉体的相違を考え、正しいストローク・メカニックスで許容される動作の解説をしました。

そうすることで、柔軟性や運動能力による差を考えずに、正確な動作に近い泳ぎをマスターすることができるからです。

水中で運動をすると、からだのまわりのあらゆるところで乱流が発生することはよく知られています。この水を攪拌するときに発生する乱流は、すべてが抵抗となって泳ぎにマイナスに働くと考えて間違いありません。

したがって水中で腕を動かしたり、キックをすること自体がすべて抵抗になります。そのマイナスの抵抗をできるだけ少なくするテクニックは、水中を移動する運動の効率を上げることにもつながります。

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ストロークの加速 [Acceleration]

プル(腕の水中動作)は、指先が入水すると同時に、手のひらで下方にプレスするように、相対的にゆっくりと動き出すことが大切です。これによってプルは強い水のキャッチを得ることができます。

手の平にできるだけ水の圧力を感じるようにすることで、手で水をつかむことができます。さらには、ストロークは入水の段階から、手のひらが水中から抜きあがるまで、その圧力を維持しながら加速度的にストロークします。

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クロールのプルパターン [Pull pattern]

クロールまたは自由形と呼ばれる泳ぎからは、他の泳法より速く泳げるストロークであることは、他の泳法と記録を比較しても解ります。さらにクロールストロークは、スピードを柔軟に調節できるので、長い時間泳いでも疲れることなく泳ぐことができます。
それは筋の使い方が部分的に極端ではないために、部分的な筋肉の痛みを引き起こすことなく泳げるという利点につながっているのです。

そのため、クロールストローク(自由形)は、競技水泳だけでなく健康のために泳ぐための水泳やレクリェーション水泳にも容易に用いられるストロークとなっています。

クロールルのストロークを、平面図でスイマー手の動きに置き換えると、指先のストローク動作(プルバ夕ーン)は、クエスチョン・マークを描いているように見えます。

これは水中のストロークを、キャッチ、プル、フォロースルーの3つに分けるとすると、それぞれの段階で上半身の筋肉を総動員しながら、休息と運動を効率よく繰り返していることが良くわかります。

そして、プルが効率良く行われているかどうかは、一定の距離毎のス卜ローク数が減って行くことで、1ストロークに要する時間と距離が長くなったことを示し、結果的に単位距離当たりのストローク数が減ることにつながります。

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クロールの手のエントリー [crawl stroke entry]

クロールの手の入水(エントリー)位置は、横から見ると腕をまっすぐに伸ばした位置と、頭のてっぺんの中間ぐらいで、限りなく前方に指先から入水すべきです。

また前方から見ると、身体の中心と肩の中心近くに手に平をやや外側にして親指側から入水します。ただ、見た目とスイマーの感覚とでは、かなり違うことに注意しておかなければなりません。

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クロールの腕のリカバリー [Crawl stroke recovery]

クロールにおける腕のリカバリーは、どんな時でも手首より肘を高く保って、水上を前方に運ばなければなりません。このように肘が高く保たれた腕の状態を、ハイエルボーと言います。

水中でプルを終えた腕は、肘を水から抜き上げるようにしてリカバリーします。この動作は、腕が抜き上げられる時の抵抗を最小限にして、プルの最後のフォロースルーを完全にします。

肘が伸び切った状態で、腕をまっすぐに伸ばしたまま、低く水面の近くを掃くようなリカバリーは、腰に過度の左右への動きを引き起こし、腰が左右へ揺れる原因になります。

また、腕を伸ばしたまま高いところを運ぶリカバリーは、腰が左右へ揺れることは防げますが、手が前方へ入水するときに、造波抵抗を増して不利になるばかりでなく、入水したあとの推進効率に悪影響を与えます。

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クロールの入水時における陥りやすい欠点

入水が頭に近すぎる

前方で水をつかめないプルは、クロールの腕がリカバリーした後、手が頭のすぐ前や顔のすぐ前に手がはいることによって、キャッチ(水をつかむ位置)が深くなり過ぎることで起こります。

入水すると同時に十分に伸びない腕は、ストロークのはじめの部分の推進力を無駄にしてしまいます。手を頭に近い位置に入水した後、腕前方に伸ばしていくと、肘が手より低い位置に残ることになります。

このようにプルが肘を落としたまま行われると、前腕は抵抗になると同時に、水を十分にプレスしてつかめない原因になります。

手が入水したとき肘が伸びきっている

水面にタッチした指先が、さらに前方に手をスライスさせる時に、肘が伸びきっていると、水を下方にプレスしても水を真下に押してしまい、身体が上下にぶれる原因になります。
手を入水するときのスイマーの感覚は、肩の延長線上に親指を少し内側に向けて指を水にタッチします。

実際には、肩の延長線と身体の中心軸の延長線上の中間ラインに入水します。

掌をペタッと水面にたたきつけるのではなく、掌の角度を外側に多少傾けることによって、水中に気泡を持ち込むことがないので、水の抵抗を減らすことができます。

入水の手が外側や内側に入り過ぎる

手が外側へ入り過ぎる入水(ワイドエントリー)とは、入水した指先が肩の延長線より外側に入水したときのことを言います。

手が肩のラインより外側に入ることによって、腰が左右に揺れる原因となります。この影響は直接腰ではなく、腰から下の脚に現れます。

が内側に入り過ぎる

手が内側へ入り過ぎる入水(オーバーリーチング)とは、入水した指先が身体の中心の延長線より内側に入水したときのことを言います。

手が反対側の肩の線を超すほど極端だと、上体の前面から受ける抵抗が著しくなると同時に、腰が左右に揺れる原因ともなります。

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クロールのキャッチ

キャッチは肘が伸び切るのと同時に行われます。十分なプレスされた強いキャッチを行うには、肘が伸び切るのに合わせて、掌をプールの底へ沈めることから始めますが、掌を沈めながら肘を前方に押し出すようにすると水を確実にプレスすることができます。

この手と肘の動作が、ブルの最初の段階で肘が高く保たれることを確実にします。

さらに上手に推進力を得るために、掌が下に沈んだあと後方に向くまでに、掌は外側へスライスします。この動作は意識的ではないにしても、呼吸のために頭を回転しやすくするのと同時に、プルの開始をしやすくします。

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クロールのプルで陥りやすい欠点

外側へのプレス

クロールのプルは、手で水をキャッチした後、肘を曲げながら肩を越して腰まで続けられます。

手は水をプレスしながら下降に向かい、肩のラインを越すあたりには、前腕と上腕の角度は、90度近くにまで曲げられます。

入水からフォロースルーまでのプルの軌跡は、スイマー本人から見て、指先が平面的に描く軌跡は、S字のようになります。

このとき重要なのは、手が両肩幅の中を移動し、決して外側を掻かないことです。

肘の落ちたプル

肘が落ちるということは、指先が水面にタッチした時から、肘が水面上に出るまでに起きます。

「肘が落ちる」動作とは、手が水中にある間中、すべての段階で手よりも先に肘が動くことで解ります。

特にプルの「入水からプルにかけて」起こる「肘の引け」は、マイナスの抵抗とプラスの推進力に決定的なダメージを与えます。

クロールに限らず、手で水を「なでる」様なしぐさは、ストロークのすべてで、強力な推進力を得ることができません。

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クロールの入水後に陥りやすい欠点

フォロースルーはしっかり後方まで水を押す

プルによる推進力をさらに加速させるために必要なのがフォロースルーです。水中のストロークの完了がこのフォロースルーになります。

お腹の下を掻いた手は、肘を伸ばしながら腰の後ろまで伸ばしていきます。

このとき重要なことは、手に十分な水圧を感じつつ、手の動きを加速しながら肘から水上に抜きあげることです。

このフォロースルーにおいて、スムーズに肘から抜きあげるには、掌を太腿に向けながら肘を水上に抜きあげます。

手が大腿を滑るように進むことによって、ストロークが連続してスムーズに行われるのと同時に、動作の連続性にもつながります。

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クロールのフォロースルーで陥りやすい欠点

早すぎるリカバリー

腰のあたりで肘がリカバリー動作に入るのは早すぎるリカバリーといえます。

水中の手が後方まで完全に行われないと、ストロークによる十分な加速が完了しません。

強調しすぎるリカバリー

肩を下げてしまうほど、後方に水を押しすぎる場合や、水を水面上に跳ね上げてしまうことなどに見受けられます。

さらに、太ももに水をぶつけてしまうと、不要な渦抵抗を作ってしまうことになります。

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クロールのキック [kick]

クロールのキックは、平泳ぎなどの足首や膝を曲げて推進力を得るキックに比べて、つま先まで伸ばした脚を、左右交互に上下に動かすことによって推進力を生み出します。このように、足首や膝を伸ばしたキックを、ヒューマンキックと呼んでいます。
キックアップは水面近くで、膝が伸びきって終了し、キックダウンも水中で膝が伸びきって終了します。

キックアップからキックダウンに移る時に膝は少し曲げられますが、このとき腰、膝、足首は逆の動きをします。この逆の動きをすることによって、脚全体がうねるように動き、水の抵抗を少なくすると同時に足の差圧によって推進力が得られます。

この足の上下による推進力は、クロール全体の推進力からすれば少ないものですが、ストロークによるからだのブレを安定させるのに役立っています。

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クロールのキックの種類

キックのパターンには次のようなものがありますが、スイマーの泳ぎが、如何にスムーズに泳ぐことができるかによって決定されるべきです。

6ビートキック: 1サイクル(左右腕の掻きが一回)のストローク中に、6回のキックダウン(蹴り下し)があるキック。必ずしも片足3回にならなくとも良い。また、6回以上に羽ばたくようなキック(フラッターキック)が数回入る人もいます。

4ビートク口スオーバー: 1サイクル4回のキックダウンの途中に、1、2回の足をクロスが入るキック。この脚のクロスオーバー(交差)は、呼吸のために頭を回したときに起こりやすい。

2ビートキック: 1サイクル中に2回のキックダウンがあるキック。右手が入水した後に左足のキックダウンがあり、逆に左手が入水した後に右足のキックダウンがあるキック。脚の動きがスムーズなキックを特に「ピュアー2キック」と呼ぶ。

2ビートクロスオーバー: 2ビートキックと同じキックだが、1サイクルに要する時間が長いと、ストロークの途中で止まったり、呼吸のために身体が傾いて、キックの途中の脚がクロスするキックをいう。

上手なキックを進もうとして、キックに合わせたストロークをすべきではありません。つまり、スピードを上げようと無理に6ビートで泳ごうとしてはいけません。常に自然なストロークのリズムに合わせたキックをすべきです。

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クロールのキックで陥りやすい欠点

クロールのキックの動作中、膝がまっすぐ伸びたままだと、足の差圧による推進力は得られますが、必ずしも泳ぎにプラスになるとは言えません。

10才以下のスイマーに見られる、膝が伸びたキックが必ずしも悪いとは言えません。四肢筋より躯幹筋が先に発達した年代では、膝をリラックスして曲げるより、膝を伸ばすことで、躯幹筋の強力なパワーを得ることができます。

また、キックアップの足は、水面スレスレから水中に蹴り下ろされ、決して足の甲が水面上に出ることはありません。

足のすべてが水面上に出た後で水中に入る蹴り下ろされるキックは、多くの泡を水中に持ち込んで、不要な渦と泡の抵抗を作り出してしまいます。

水面上で渦と泡による抵抗をできるだけ少なくして、その反動として深く蹴り下ろされるキックで、前進を妨げる抵抗を作らないようにすべきです。

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クロールの呼吸の要領

呼吸をする側の手のプルが終わるときに息を一気に吐き、同時に反動で吸いますが、その時口は十分に水面上に出ていなければなりません。

しかし、前述したように意識して水上に出す必要はありません。通常泳いでいれば、頭部にぶつかった水は盛り上がり、首筋にかけてくぼみます。

丁度そのくぼみの位置が水面より低くなり、その位置に口がきますから、口はそれほど意識しなくても水面上に出ることになります。

1サイクル(左右1ストローク)に一回の割に行うクロールの呼吸では、顔が水に戻った後少し呼気を行いますが、左右交互呼吸では、呼吸後に顔を水中に戻しても息を吐かないで続けます。

このことは、呼吸機能の強化と訓練に役立つばかりでなく、ストロークメカニズムの向上にも一役買うものと思います。

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クロールの呼吸の順序

クロールに限らず、水泳の呼吸はリズミ力ルに行われなければなりません。

そして、ス卜ロークのどの時点においても、息をこらえるべきではありませんが、息を楽にするためにはちょっとした工夫も必要です。

呼吸は片方の肩が上方に回りながら顔を横に向け始めます。このとき天井を向くほど、意識して顔を水上に出す必要はありません。

水面に対して両肩の線が45度近くになったら、鼻と口の周りの水を飛ばすつもりで、水面近くで息を強く吐き、その反動で一気に息を吸います。

水を飛ばす要領は、片手で手と口を覆って強く息を吐いた時に、空気圧を感じる範囲の水を飛ばすつもりがいいでしょう。

身体が息を吸ったあとは、肩の線が水平に戻るのに合わせて、顔を水中に戻します。

顔が水中に戻ったあと、手が呼吸した側の入水し、肩の線を通過するまでの間、鼻と口から息を少し吐きます。

しかし、手が肩の線を通過した後も息を吐き続けると、苦しくなりますから注意してください。

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クロールの左右交互呼吸

クロールの呼吸動作は、頭を横に回すことで楽に行われます。基本的にクロールの呼吸は、左右どちらか好きな方に顔を上げて呼吸を行います。

ただし、クロールを覚える初期の段階で、呼吸を片側だけしか練習しないと、泳げるようになった後も、腕のリ力バリーや手のエントリーのメ力二ック、泳ぎのバランスなどが悪くなる傾向があります。

そこで、初心者に限らず、選手や長距離を楽に泳ぐ場合には、バイ・ラテラル・ブリージング(左右交互に呼吸)をすることをお勧めします。

この左右交互呼吸は、泳ぎを習う段階から練習すれば、習得するのにさほど難しくはありません。左右のローリングやストロークの均等性を維持することに役立ちますので、片側しかできない人も練習してみてください。

最終更新日:2018/08/11
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